使用済品の店頭回収は違反ではないのか?

2019年06月05日

一般消費者の使用済み品は、一般廃棄物と考えるのが通常の解釈でしょう。これを店頭で回収するということは、一般廃棄物を扱うことであり、これを運搬するのであれば、一般廃棄物収集運搬業の許可がいるはずですが。。。

変われば変わるものです。以前より使用済みの靴、衣服を店頭回収してリサイクルをしたいというメーカーからの相談を受けることがありましたが、正当な解釈をすれば、導入に書いた通りの解釈しか成り立ちません。もちろん、有用物であり、販促の一貫で回収しているだけであり、廃棄物ではないと総合判断をすることもできました。しかしその解釈の担保をしてくれる公的機関がないため、コンプライアンスに敏感な企業はこのような取り組みに二の足を踏んでいました。

ところが、環境省が2016年に出した通知「店頭回収された廃ペットボトル等の再生利用の促進について」によると、以下の条件に当てはまる場合は「当該回収行為は事業活動と回収対象物に密接な関連性があるとして~中略〜「事業活動」と解釈して差し支えない」としています。ペットボトルを回収する事業者、経団連からの要望を受けてのことです。

平たく言うと、以下の条件に該当すれば、回収後の物を産廃として扱ってよい、ということです。

① 主体 

販売事業を行う者と同一の法人格を有する者が回収を行う場合に限られること。 

② 対象 

再生利用に適した廃ペットボトル等で、かつ、販売製品と化学的、物理学的に同 一程度の性状を保っている廃ペットボトル等に限られること。 再生利用に適した廃ペットボトル等であるか否かは、第2の2(2)個別指定の 対象における記載を参照されたい。

 ③ 回収の場所 

販売事業を行う場所と近接した場所で回収が行われる場合に限られること。

 ④ 管理意図及び管理能力 

販売製品の販売から回収までの一連の行為について管理する意思があり、かつ適 切な管理が可能であること。

 ⑤ 一環性及び付随性 

本体事業活動の便益向上を図るために、当該事業活動に密接に関連するものとし て付随的かつ一環として行う行為に限られること。 

通知文中「本来一般廃棄物である」と断言し、これまで通り一般廃棄物として扱ってもよいとの記載がある通り、やはり基本的には一般廃棄物なのでしょう。しかも、ペットボトルと食品トレーに限定した表現であるため、他の物への拡大解釈はある程度可能とは考えられそうですが、どこまで許容すべきかは課題でした。

<環境意識の高まりが廃棄物処理法を超える>

しかし、海洋プラスチック問題が取りざたされる現在では、リサイクルするのであれば少々のことは問題にはならなくなっています。ユニクロマクドナルドも回収をしていますし、アディダスも将来するようです。この中でリユースするのはユニクロですが、全体の半分以下で、残りは燃料化とウエスになるようです。一般廃棄物の広域認定は、どこへ行ってしまったのでしょうか。

それにしても、環境省のこの通知を受けて産業廃棄物として処理するのでしょうか。おそらくは、そんなことはしないのでしょう。ユニクロは古繊維の回収なので専ら物だという見方もできますが、専ら物は天然繊維にしか適用されないという解釈の自治体も多いようです。

10年前であれば、環境省からクレームが入ったかもしれません。ところが、もしも今、環境省がこれにストップをかけたら逆に論争を呼びそうです。

今後も似たような動きは続くのでしょう。明文で禁止されている場合はともかく、解釈で運用してきたものは時代の流れに逆らうことはできません。世論を味方にするということは、グレーゾーンにあるリサイクル方法にとっては大きな意味があることだと思います。

近い将来、廃棄物の定義=総合判断説の解釈も変わっていくかもしれません。