罰則を受けるのは、あなたかもしれません

2020年09月24日

廃棄物処理法の罰則の対象には、主に

  • (排出)事業者
  • 収集運搬業者
  • 処分業者

の3者があります。

注意しなければならないのは、ここでいう「~業者」は法人というより個々の人=自然人*を指しているということです。法律では基本的に、法人が自ら意思をもって犯罪を行うことはなく、常に代表者や従業員という“人”の意思を反映していると考えられています。

したがって、廃棄物処理法に限らず、法律の罰則は原則として人を対象としています。

*:自然人とは、法律で人工的に作り出した法人に対する概念。簡単に宇都、人間のことです。

法律はどうなっているの?

では、「人」とは具体的には誰を指すのでしょうか?代表取締役でしょうか?例えば廃棄物処理法第12条第5項(抜粋)によると、

法第12条第5項 事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については産業廃棄物収集運搬業者に、その処分については産業廃棄物処分業者定める者にそれぞれ委託しなければならない。 

とされています。つまり、「委託する」人に義務が課せられているのです。委託をするための、実質的な権限がある人、と言っていいのではないでしょうか。

罰則=刑事事件ですので、警察が捜査し、検察が起訴し、最終的には裁判官が有罪、無罪を判断することになります。罰則の対象を誰にするかは、組織図上の形式ではなく、実態に基づいて判断されます。 つまりケースバイケースということです。

具体的には?

業務上MVJ-netのような記事を読んでいるあなたは、廃棄物処理法に関する判断やアドバイスをしていませんか?そうであれば、違反時には少なくとも取り調べの対象となり得るでしょう。

過去の例としては、係長・課長など何らかの役職にある人や事業所長、スタッフ系でも本社の環境管理責任者、社長などのトップも指示を出している場合は逮捕、起訴、有罪判決が出ています。 関係者であれば誰でもあり得るのです。

法人罰(両罰規定)

既述の通り、基本的に罰則は自然人が対象なのですが、例外的に法人を対象とすることもあります。これを「両罰規定」といい、公害防止関連の法律でよく見られます。廃棄物処理法の両罰規定は、下記に規定されています。

第32条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたとき行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。 

最初の緑字のところが行為主体です。つまり「代表者=社長以下全従業員の誰かが、法人の業務に関して違反をした場合は、法人に罰金刑を課す」ということです。なお、途中「行為者を罰するほか」とあるとおり、メインは行為者への罰で、法人への罰金は“ついで”という位置づけです。


こちらの記事もおすすめ

過積載

2020年12月24日

最大積載量を超える量の荷物を車両に載せること。法令違反であり、車両のバランスを崩しやすく、ブレーキも聞きにくくなるため事故を起こすリスクが高まりますし、車両や道路への負荷も高まります。

ガス切り

2020年12月23日

がすぎり、と言う。ガス切断(がすせつだん)、ガス溶断(がすようだん)ともいう。

過剰保管

2020年12月16日

適正な量を超えて保管している状況を指す言葉と思われますが、明確な定義はありません。保管基準に定める上限を超えている場合には過剰保管と言うべきかもしれませんが、法律用語ではありません。そのため、保管基準違反と過剰保管、過剰保管と不法投棄の違いは明確ではなく、現場の実態に照らしても判別することが難しいことがあります。

看板

2020年12月15日

看板とは、廃棄物処理法の条文で使用される用語ではありませんが、保管基準により設置が義務付けられた“掲示板”(けいじばん)を指していることが多いようです。許可の看板、保管場所の看板、置き場の看板、のように使われることがあります。なお、「置き場」も法律用語ではありません。

処理困難通知とは

2020年12月09日

処理困難通知を簡単に説明すると、処理業者が排出事業者に「処理ができなくなったので、もう廃棄物を持ってこないでください」と伝えるものです。通知を受けた排出事業者は、委託停止はもちろん、現状を把握し、環境上の問題がある場合は対策を講じて、その結果を都道府県知事に報告しなければなりません。

現地確認/実地確認の実施、または処理状況の確認は、排出事業者の注意義務として委託基準に含まれています(注意義務については、こちらの記事をご参照ください)。記事にもある通り、処理状況は実地に確認する方法を筆頭に、公開情報の確認などが推奨されています。しかし、それで本当に、適正処理される確証が持てるのでしょうか?毎年現地確認しておけばよいというのは、環境省と都道府県職員と排出事業者がお互いに作り出した、何の根拠もない共同幻想かもしれません。