産業廃棄物の20種類の判断基準と注意点

2019年07月26日

産業廃棄物は20種類に分類されていますが、注意しないと判断を誤ってしまう場合や、法律の規定と実際の運用が違う場合があります。条文と実務、業界内で普及している解釈などを総合的に判断しなければならないのです。

施行令第二条(クリックして拡大)

法の規定

産業廃棄物は、以下の2か所で規定されています。

  1. 法第2条第4項第1号」で「事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物」と規定しています。
  2. 「その他政令」は「施行令第2条」を指しており、上記の図としても貼り付けています。

この2つを合計すると20種類あります。

実は、「法第2条第4項第2号」で、「輸入された廃棄物」がありますので、産業廃棄物の種類は厳密には21種類あるのですが、通常は国内発生の20種類だけを考えます。

通知

さらにこれを詳細に説明するものとして、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について 昭和46年10月25日 環整45号」がありますのでご覧ください。基本的な判断基準は以上の内容で足りるでしょう。

その他注意点

明文化された判断要素は上記の通りですが、その他に注意すべき要素があります。

  • 混合、複合、一体不可分

複数の種類のものが含まれる場合で、混合している、複合しているために容易に分けることが出来ず、一体不可分であると考えられる場合があります。

例えば、建設廃棄物としてプラスチック、金属、木、紙などがコンテナに混合して入っていると「廃プラスチック類、金属くず、木くず、紙くず」の混合物として、1つの種類の廃棄物(特に建築廃棄物の場合は「建設混合廃棄物」)とみなすことができます。

一方、オフィスの椅子などは、混合しているというより、廃プラスチック類と金属くずの複合物と言われることもありますが、いずれも、通常は1つの種類の廃棄物とみなし、マニフェストも1つで済みます。

また、環境省通知「産業廃棄物管理票制度の運用について 環廃産発第110317001号 平成23年3月17日」p.2、p.3も参考になります。ここではシュレッダーダスト(破砕後に金属等を選別した後の、プラスチックなどの残さのこと)が例示されています。

  • 有害性

当然ですが、特別管理産業廃棄物に該当する可能性があるものは、分析後に基準にのっとって普通の産業廃棄物とするのか、特別管理産業廃棄物とするのかを判断します。 (特別管理産業廃棄物についてはこちらの記事の後半を参照ください)

特別管理産業廃棄物に該当しない物でも、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリなど液状物が流れ出す可能性があるものは、たとえ少量であっても混合物として考えたほうが良いでしょう。

例えば、ドラム缶内に廃油が相当量残っている場合と、使い切ってほぼ空っぽの場合はどうでしょうか。前者は廃油の処理委託と考え「廃棄物の種類:廃油、荷姿ドラム缶」、後者はドラム缶単体=通常有価売却と考えるのが基本です。しかし、「使い切る」の明確な基準はありません。適正処理のためにはどの程度まで廃油を除去したらよいのか(処理方法によって異なる)を、処理委託先と事前に協議しておくべきです。廃油が一定量残り、ドラム缶単体として認識すると適正処理できない物は、「廃棄物の種類:廃油・金属くず」という混合物として扱うべきでしょう。

廃棄物処理法はあくまで適正処理が目的ですので、それに照らして解釈・運用するのが基本です。

  • 総体物

複数の種類の廃棄物が複合している場合に、少量のモノについては考慮しないケースがあります。例えば、紙の書類がホチキス留めされている場合は、厳密には紙と金属が複合しています。しかし、金属は紙と比較して少量ですし、適正処理・リサイクルを阻害するものではありません。したがって、総体として紙くず単体と考えることが一般的です。

特に、産業廃棄物と一般廃棄物が複合している場合は、量の多いモノを中心に考え、総体産廃、総体一廃と表現することがあります。

  • 業種限定

業種限定については、こちらの記事をご覧ください。

  • 20種類該当性

下記のように、そもそも20種類のどれにも該当しない廃棄物があります。基本的にこれらのものは、一般廃棄物になります。

粉末状、泡状の廃棄物(特に農薬などの場合。ただし、粉末状のものであっても、金属、プラスチックであれば、金属くず、廃プラスチック類に該当します)

人間のし尿

  • 汚泥・廃プラ等の拡大解釈

金属くず、木くず、繊維くず、廃プラスチック類のいずれも、PCBが付着した場合を除いて特別管理産業廃棄物には該当しません。したがってドラム缶や木製パレットに特別管理産業廃棄物に該当する液体が付着している、またはそのような液体をウエスで拭いた場合、本来汚泥には該当しませんが、特別管理産業廃棄物として扱うために特別管理産業廃棄物の汚泥という扱いにしていることがあります。

また、産業廃棄物と、一般廃棄物に該当する可能性が高いものが複合、混合している場合には、一般廃棄物の部分を汚泥や廃プラという扱いにして総体産廃とみなすことがあります。例えば、紙や木を樹脂コーティングや圧着などしている場合に廃プラスチック類単体としている、プラスチック容器入りの食品残さや、固まった血液を汚泥として扱っているような場合です。

いずれも、純粋な法解釈としては疑義が生じかねないところですが、現場の実情や法の趣旨を踏まえるのであれば、むしろ適正処理のために許容されるべき解釈・運用だと言えるのではないでしょうか。

  • 13号廃棄物

13号廃棄物については、こちらの記事を参照してください。