業種限定の撤廃を

2019年10月02日

ご存知の通り、紙くず、木くず~については、特定の業種から排出されるなどの条件を満たした場合にだけ産業廃棄物に該当します。業種限定から外れた場合は、一般廃棄物となります(詳しくはこちらの解説を参照してください)。例えば、オフィスから排出される印刷用紙、雑誌類は紙くず、コーヒー豆、お茶かす、残飯などは動植物性残さ、木製の家具、調度品は木くずに該当しそうですが、オフィスは特定の業種に該当しませんので、(事業系)一般廃棄物となります。

リサイクルが進まない

したがって、ある事業場から複数の廃棄物が排出され、その中に木くずなどの事業系一般廃棄物が混在していると、産業廃棄物の許可しか保有しない処理業者は取り扱うことができません。そのため、木くずだけ分別し、別途一般廃棄物の許可を持つ車両に回収してもらい、市町村の焼却炉などで処理してもらうことになります。産廃業者が技術的に問題なく処理できても、法制度上の問題により、不要な分別作業、保管、運搬が発生するだけでなく、民間の技術による高度なリサイクルができなくなっているのです。

本来、産業廃棄物の許可があれば、一般廃棄物の許可も届出程度で取得できるとよいのですが、事情は複雑です。一般廃棄物の処理は行政サービスの一環でもあるため許可件数が制限されるなど、政策的な制限がかかっています。そこで考えられる方法としては、事業所などから発生する事業系一般廃棄物に限定して一般廃棄物処理業の許可を出してもらうことです。しかしこの方法でも、一般廃棄物処理業の許可はなかなか出ません。そこで次の手としては、許可を出してもらうのではなく、市町村からの委託を受けるという方法です。これが駄目な場合は、とりあえず市町村か、既存の一般廃棄物の許可業者で処理してもらうしかありません。

業種限定を撤廃

一般廃棄物処理業の許可の出し方は地域によって異なります。したがって全国一律で対応するために、法改正により業種の限定をなくし、20種類の全てを産業廃棄物にする方法が考えられます。それまで一般廃棄物だったものがいきなり産業廃棄物になると困ると思われるかもしれませんが、“あわせ産廃”という方法で市町村がこれまで通り処理することができます。つまり、実質的に産業廃棄物としてでも一般廃棄物としてでも処理することが可能となるのです。

※“あわせ産廃”処理については、契約書の作成義務が発生するという問題もあるので、こちらのページを参照ください。

多くの場合、市場が大きく(産廃4億トン/年 > 一廃5千万トン/年)、民間企業の創意工夫が行われる産業廃棄物業界の方が、高度なリサイクルができます。

そもそも業種限定が設定されている品目は、基本的には市町村が処理することができる物なのです。しかし、大型・大量に発生するものについては市町村では処理が難しいため産業廃棄物にしましょう、という理由で産業廃棄物となる業種が設定されたものです。いまや、人口減少により地方自治体のごみ処理にも負担がかかり始めています。事業系の廃棄物についてはすべて産業廃棄物として処理できるようにして民間に委ねられるようにし、あわせてリサイクルの推進ができれば一石二鳥です。是非ともこのような検討をしていただきたいものです。