廃棄物の種類分けを性状ベースにしませんか?

2019年07月23日

産業廃棄物は20種類(21種類とも言いますが)ですが、おかしな種類分けがあると思いませんか?天然繊維が「繊維くず」で、合成繊維が「廃プラスチック類」だったり、木のタンスが一般廃棄物なのに、作り付けの木棚は「木くず」(建設廃棄物)だったり、合成高分子化合物に係る固形状及び液状のものすべてが「廃プラスチック類」だったり、粉末状の薬品が20種類のどれにも該当しないために一般廃棄物だったり。そもそもの考え方からして、改めて整理したほうがよいのではないでしょうか。。。

合理的だが苦肉の策

この写真のユニフォームは、ポリエステル65%、綿35%の混紡品です。「合成繊維が50%を超えているので、廃プラ扱いでよい」という指導は比較的一般的ですが、法律上の根拠は薄弱、というより無いと言ってよいのではないでしょうか。「油分を含むでい状物の取扱いについて」という通知では、「油分をおおむね五パーセント以上含むでい状物は汚でいと廃油の混合物として取扱う」とされているのと比べると、判断基準のあいまいさに疑問がわきます。

ただ、現場の実情を踏まえれば、合理的な解釈ではあります。産業廃棄物(ポリエステル)と一般廃棄物(綿)との混合物だとすると、産業廃棄物と一般廃棄物のダブル許可を持つ収集運搬車両と処分業者を探す必要があります。しかも、このようなユニフォームは全国的に排出されるはずですので、全国の市町村でダブル許可業者が必要でしょう。それも市町村越境するなら両市町村の収運許可と、市町村間の事前通知も必要です。許可業者に頼まずに、市町村があわせ産廃として受けてくれるとしても、産業廃棄物処理施設の設置許可が必要でしょうし、契約書の作成・管理に対応してもらわなければなりません。であれば、純粋な産業廃棄物として扱ったほうがよほど現実的です。

一方、汚泥に油が含まれるのであれば、汚染防止のためにも少量であっても認識できるようにすべきでしょう。PCBであれば、少しでも検出されたらPCB含有の特管汚泥となります。生活環境の保全を目的とした法律の運用解釈として、有害物を厳密に管理するのは正しいことです。

しかし、混紡品は50%を基準とすべきなのでしょうか?もし、ちょうど50%の場合は?ボタン、ファスナー、マジックテープの重量は考慮するのか?そもそも本音はポリ10%・綿90%でも産業廃棄物にしたいのではないでしょうか。

素材で分ける方法に疑問

素材の違いが処理方法に影響を及ぼす場合もありますが、そのために素材別に20分類しているのだとすれば、現状では大雑把で不十分です。だからと言って100種類に分けても多様な処理方法に対して十分な情報になることはないでしょう。むしろ、保管~処理工程における飛散、流出の防止や、作業性、設備との相性を考え、性状別で分類したほうがよいのではないでしょうか。

例えば「液状」「泥状」「固形状」「粉末状」「腐敗性」などで分類します。当然ですが、現状の20種類も結局はこれらの【性状】のいずれかに含まれます。設備との相性問題を考えると「シート・繊維状」があってもよいかもしれません。もちろん、これらの混合物も考えるべきです。個人的には、【性状】をこの6つ程度に分類すれば十分だと思います。

さらに、現状の特管+PRTR対象物質を含む場合は、物質名ではなく“管理方法別”のくくりで【有害性】 として分類します。つまり、引火性廃油は揮発や高温防止、強酸、強アルカリは腐食防止、石綿は飛散防止のように、それぞれ管理方法に特徴があります。この管理方法ベースで分類して、許可や契約をするのです。有害物質の情報は許可品目とするまでもなく、委託にあたっての伝達事項としておけばよいのです。

【性状】+【有害性】でシンプルかつ効率化を

仕組みをシンプルにすれば、境界線もシンプルになり、「苦肉の策」でしのいできたブラック~グレーゾーンもかなり解消します。また一時的にpH8が6に(廃アルカリが廃酸に)振れたり、廃プラに木箱も追加したりするなど、多少の状況変化があっても「液状」も「固形状」も変わりません。「契約変更が必要!!」と言ってストップをかけることなく、スムーズにリサイクルが進みます。

処理業の許可も20種類それぞれについて申請、許可を受けるのではなく【性状】単位で出されるのであれば、例えば「固形状」の物であればどのような物でも処理することができます。それでは許可として大雑把すぎるという意見もあるかもしれませんが、既述の通り現行制度は細かいようでいても、環境保全を目的とするならば【性状】単位の許可のほうが適切だと思います。排出~処理の現場では、許可品目がどうあれ「できるもの、できないもの」の判断をしています。逆に素材別に許可が細分化されているため、適正処理が「できるもの」を許可上できないためにリサイクルを断念することすらあります。

どんなに許可制度を精緻に細分化しても、処理方法によって必要な情報は違いますので、契約書などに記載すべき「適正処理に必要な情報」は別途必要です。どう頑張っても、この内容については当事者間で個別具体的に協議することになるのですから、許可証で無理に縛ろうとせずに、当事者を信頼して判断を任せて欲しいものです。

最後に

関係のない方が多いかもしれませんが、極端な例をご紹介します。

食料品製造業から出てくる魚や獣のアラは「動植物性残さ」で、と畜場及び食鳥処理場における家畜の解体等に伴って生ずる不要物が「動物系固形不要物」で、畜産農業から排出される動物の死体が「家畜の死体」で、これら以外の業種の動植物の残渣/死体は一般廃棄物となります 。過去の経緯でこのような分類になっているのですが、処分方法はほとんど同一です。今後は多少の条件を付けたとしても、基本は「腐敗性」の一言でくくってしまえばよいと思うのですが、いかがでしょうか。