マニフェスト③回付・送付

2020年05月13日

マニフェストの「回付」も「送付」もあまり聞きなれない、意味が良く分からない方がほとんどだと思いますが、これは条文で使われている法律用語です。通常使われている言葉に直すと「回付」=「渡す」、「送付」=「返送」ということです。

この言葉が使われている条文はいくつかありますが、両方同時に使われている運搬のところを引用します。

  • 法第12条の3 第3項(抜粋、改変)

収集運搬業者は、当該運搬を終了したときは、(中略)管理票交付者(=排出事業者)にマニフェストの写しを送付しなければならない。この場合において、当該産業廃棄物について処分を委託された者があるときは、処分業者にマニフェストを回付しなければならない。 

いずれも、排出事業者の仕事ではなさそうですが、よく読むと関係のある規定もあります。

回付が必要なのは?

回付は、条文にある通り「当該産業廃棄物について処分を委託された者があるときに収集運搬業者がする行為です。当然ですが、運搬だけで、その後処分されるのでなければ、回付は不要=マニフェストの運用はそこでストップです。例えば、排出事業者の自社の事業場間の移動の場合や、手元マイナスのように運搬先が処分を受託するのではなく購入する場合がこれに当たります。

手元マイナス時のマニフェストの運用が、運搬(B2票)まででよい、という根拠はここにあります。


なお、電子マニフェストでは「送付」の代わりに「報告」と言っています。

  • 法第12条の5 第3項(抜粋改変)

運搬受託者又は処分受託者は(中略)情報処理センターにその旨(中略)を報告しなければならない。

報告は排出事業者に直接するのではなく、情報処理センター=JWセンターに報告し、それが排出事業者に「通知」されるのだそうです。

自社運搬の場合

では、排出事業者が自社運搬して、処分業者に持ち込む場合はどうでしょうか?これについては、少し戻りますが第1項で以下のように記載されています。

  • 法第12条の3 第1項 (抜粋)

産業廃棄物を生ずる事業者(=排出事業者)は(中略)運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、(中略)産業廃棄物管理票を交付しなければならない。 

自社運搬であれば、「運搬を受託した者」はいないため、「処分を受託した者」に直接交付することになります。

CASE STUDY

事例

運搬業者A社とB社に、区間を分けて産業廃棄物の運搬をしてもらいます。

A社が積替え保管の許可を持っていて、その積替え保管場所でA社からB社に廃棄物の積替えをしてもらいます。その際、マニフェストもA社からB社に渡してもらうことになるのですが、条文を見ると運搬業者が運搬業者にマニフェストを渡す方法がないのですが、問題ないのでしょうか。

検討

マニフェストは、「交付」「回付」「送付」によって受渡され、以下のいずれかの流れになります(詳細は法第12条の3参照)。

「交付」排出事業者⇒運搬業者or処分業者

「回付」運搬業者⇒処分業者

「送付」運搬業者or処分業者⇒排出事業者、処分業者⇒運搬業者

積替え保管のマニフェストは、運搬業者⇒運搬業者と受渡されますが、上記のいずれにも含まれないように見えます。

これは、本来排出事業者が運搬業者B社へ交付すべきところ、運搬業者A社が排出事業者の代わりにB社へ交付している、と考えることになるでしょう。交付事務の代行ですので、法律で定めているのではありません。とはいえ、当事者はそのような認識を持たずに通例、慣行にしたがっているだけなのですが。

本来であれば「回付」と同種の行為として既定すべきだったのでしょう。実際、運搬業者としては次の業者に渡している=「回付している」と認識しています。