マニフェスト②交付方法 その1

2020年03月05日

今回は主に、紙マニフェストの交付、引渡し方法(電子についても必要な部分を少し)についての疑問、例えば、立ち会いは必要か、マニフェストの代理交付はだめか、廃棄物とマニフェストの付き合わせは必要か、などについて考えます。

まず、法第12条の3を抜粋すると「産業廃棄物の引渡しと同時に~運搬を受託した者~に対し~事項を記載した産業廃棄物管理票(=マニフェスト)を交付しなければならない」と書いてあります。

立ち会いは必要か

手始めに「立ち会い」とは何か?から考えなければなりません。検索すると「その場にいて物事の成り行きや結果を見守ること。」という意味が出てきます。そこでここでは、立ち会いとはマニフェスト交付の前段階の「廃棄物を積み込む作業を、現場で確認すること」と考えることにしましょう。

そうすると、上記条文からは、「現場で確認」という意味は読み取れませんよね。

一方で、施行規則第8条の20第3号で、マニフェストの交付について

当該産業廃棄物の種類~中略~数量及び受託者の氏名又は名称が管理票に記載された事項と相違がないことを確認の上、交付すること。 

と記載されている点に注目してください。つまり現物とマニフェストが相違ないことの確認が求められているのです。

積み込みの現場で直接廃棄物を確認すれば、マニフェストとの不整合は確実に分かりますので、立ち会いが理想といえるでしょう。しかし、廃棄物の種類、数量、荷姿によっては、受付などでのマニフェスト交付のタイミングで確認することもできます 。写真の確認で済ませることもできるかもしれません。もちろん、いずれの方法も100%ではありえませんし、ケースバイケースで判断すべきですが、少なくとも一律で「積み込み現場の立ち会い」が求められているとは言えないでしょう。

(なお、立ち合いは、双方から出合って勝負すること/相撲の立ち合いのことで、立ち会いとは全く別の意味です)

誰が交付するのか

法第12条の3の主語は、事業者=排出事業者です。排出事業者が交付・・・具体的には廃棄物管理部門や、当該廃棄物の排出部門の従業員の方が担当するのが基本です。派遣社員でも、契約社員でも問題ないでしょう。

では、排出事業者とは別の法人の従業員が、排出事業者名義のマニフェストを代理で交付する場合はどうでしょうか。例えば、倉庫に保管している商品や資材を廃棄する際、マニフェスト交付を倉庫業者にお願いする場合などが考えられますが、特に禁止する規定はありません。

その証拠に、「産業廃棄物管理票制度の運用について」という通知では、建設廃棄物の排出事業者である元請業者が排出現場にいない場合に、下請けを“経由”してマニフェストを交付させる方法について、下記のような説明があります。“経由”と表現していますが、代理で交付をしているのと同等というべきでしょう。

なお、 元請業者が下請負人を経由して受託者に管理票(=マニフェスト)を交付することは差し支えないが、下請負人は管理票の写しの送付、保存等の義務は負わないこと。 

ただし、元請業者が下請負人を経由して受託者に管理票を交付した場合には、「交付を担当した者の氏名」欄には、当該交付を担当した下請負人の氏名を記載すること。 

当然ですが、マニフェストの保存等の義務だけでなく、記載内容の不備、交付が行われなかった場合の責任は排出事業者にあります。処理委託契約書の締結も、排出事業者の責任です。

それでも、倉庫からの廃棄物の引渡しの場合に、行政が「排出事業者(荷主)の従業員が直接現地で交付するように」と指導することは少なくありません。指導の方針としては理解できますが、業務上支障がある場合は100%従うこともないでしょう。“指導”は、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために出された、小中高校の休校“要請”と同様、法的な拘束力はありません。

しかし、丸投げとなってしまうリスクがありますので、自社のコンプライアンスの範囲内として定期的に業務監査を行うようにしましょう。


次回は、テナントにおけるビル管理会社のマニフェストの交付や、複数回の引渡しの一括交付の是非について考えます。