マニフェスト④交付等状況報告書

2020年06月19日

「マニフェスト交付等状況報告書」は、正式には「産業廃棄物管理票交付等状況報告書」と言いますが、“産業廃棄物管理票”は通称マニフェストですので、「マニフェスト交付等状況報告書」「マニフェストの報告書」、または単に「交付等状況報告書」などと呼ばれています。

電子マニフェストを使う場合は不要ですが、紙マニフェストを1回でも使うとその分の報告書を、年度で締めて、6月30日までに都道府県・政令市に提出しなければなりません(2020年はコロナ禍のため10月末まで提出期限を延期)。

関連する通知としては、産業廃棄物管理票に関する報告書及び電子マニフェストの普及について(通知)があります。交付等状況報告書は、平成10年(1998年)に制度化されましたが、初年度だけ実施して、すぐに適用が猶予(事実上のお蔵入り)されたのですが、平成20年(2008年)に再適用することになりました。この通知は、その際に「報告書を出すのが面倒だったら電子マニフェストに切り替えましょう」と、電子マニフェストの普及を促すために出されたものです。

したがって、少々前置きが長く、記載方法についてはp.3から解説されています。しかも、それほど充実した内容ではないので、(3)辺りを軽く読んだら、各自治体で出されているマニュアルを参考にしたほうが良いでしょう。

自治体の中には、独自の報告書様式を使っていることもありますので、まずはそれを確認しましょう(環境省から様式統一を要望する通知が出てはいます)。 細かい記載、運用方法までは法律で決めていませんので、 自治体によって書き方のルールや考え方が違うこともあります。不明点があれば地元の自治体に確認し、他の自治体の方法は参考にする程度がよいでしょう。下記に、解説が丁寧なことが多い、主な自治体の関連ページのリンクを貼っておきます。

東京都版

神奈川県版

愛知県版

大阪府版

報告書作成時に疑問が生じれば、普通は直接自治体に問い合わせるでしょうから、自治体が作成したマニュアルは相当充実しています。基本的にはそれを見れば事足ります。

それでも、「おしえて!アミタさん」サイトでは、作成方法の詳しい解説と出さなかった場合にどうなるかを解説がありますので、参考になるでしょう。

実際、どれくらいの会社が提出しているのでしょうか?

1998年の施行されたのですが、1年後すぐ無期限で適用猶予されたのは、真面目にやったらとんでもない件数になるからです。2008年は電子マニフェストが一定程度普及したから再適用された、ということですが、当時はまだ電子マニフェストの普及率は50%以下でした。むしろ2008年には、まじめな排出事業者は廃棄物管理体制がそれなりに整っていたので、報告書の提出であれば対応可能と思い、反対の声が少なかったのではないでしょうか。

問題は、不真面目な排出事業者ですが、これは調査のしようがありません。調査するためには、少なくとも「産廃を排出していますか?紙マニフェストを出していますか?その場合交付等状況報告書を提出していますか?」というアンケートを出す必要がありますが、産廃の定義から理解してもらわないと意味をなしません。しかし、これは相当難しいでしょう。それに、アンケートを取る相手をどうやって決めるのでしょうか。すべての法人を無作為に対象とするのでしょうか、業界団体経由だと偏りが出ますし、商工会議所の会員がよいでしょうか?そういえばビルのテナントは?もっと言えば法人ではない個人経営の商店は対象とするのでしょうか。

ということで行政としては、まれに行われる立ち入り検査の結果を集計する以外には、報告書の提出率の把握はできないはずです。 

個人事業(流行りの副業も含みます)などの場合、マニフェストを出していないことも多く、いわんや報告書の提出などまずやっていないでしょう(個人事業でも、プラスチック製のオフィス文具などは産廃ですよね)。

なお、マニフェストを交付しないと1年以下の懲役、100万円以下の罰金の対象ですが、交付等状況報告書を提出していなくても罰則の対象にはなりません。最悪、勧告、公表などはありえますが、おそらく過去に例はないと思います。

それより、ISO14001やエコアクション21などの認証取得をしている場合、大企業、とその関連会社の場合は、監査で引っかかるでしょう。それ以外の場合は誰もチェックしませんので、ほとんど提出されていない、というのが実情だと思います。