広域認定を活用しましょう

2019年10月02日

メーカーや販売者が、使用済の製品を回収してリサイクルしたいと考える(ユーザーからして欲しいと要望される)ことはよくあります。さらに昨今の海洋プラスチック問題を背景に、メーカーが社会的責任の一環として使用済み品の回収を手掛けたいと思うことは増えてきているようです。

「リサイクル可能」にはルールがある

ところが「リサイクル可能な素材を使っています」と主張しても、リサイクルをするためのインフラが整っていなければ意味がありません。ISO14021では、自己宣言型のエコラベル(タイプ2エコラベル)の典型例をいくつか挙げていますが、その一つに「リサイクル可能」があります。

それによると、「リサイクル可能」という言葉は

利用可能な工程及び計画によって廃棄物の流れから取り出すことが可能であり,更に原材料又は製品の形で使用するために収集され,加工され,再生されることが可能な製品,包装若しくはそれら構成要素の特性

であり、

製品の販売地域において妥当な比率の製品購入者,潜在購入者及び使用者にとって,製品又は包装のリサイクルを目的とした収集若しくは回収施設が便利に利用できない場合

には、限定した表現にしなければならない、ということです。

  • 規格本文はこちらの「7.7リサイクル可能」を参照ください。

もちろん、「リサイクル可能」という用語の使用について、法律で制限されているわけではありませんが、ISO14000シリーズの規格ですので当然意識すべきでしょう。つまり、相乗りできるような既存のインフラがない場合には、メーカーが回収~リサイクルの仕組みを構築することが望ましい、ということになります。

回収~リサイクルの課題

最大の課題は、回収です。具体的には「コスト」と「廃棄物処理法」をどうクリアするかの2点に絞られます。

コストについては、製品の輸送便の帰り便を使えるか、宅配便は使うのか、中継保管拠点をどこに置くか、集約エリアブロック(東西2拠点?地域ブロック?県別?など)はどうするのか、などにより変わります。

並行して廃棄物処理法の問題を検討しなければなりません。廃棄物の運搬となれば、許可を受けた車両を使わなければならないからです。その点、宅配便を使うのは難しいでしょうし、中継拠点を設けると積替え保管になって管理が煩雑になります。なにより回収するものが、産業廃棄物なのか一般廃棄物なのかで迷うことも多いでしょう。

広域認定

そこで解決策として最初に検討するのが、広域認定です。広域認定とは、製品が廃棄物となった物を、製造、加工、販売を行う事業者が広域的に回収し、リサイクルする場合に特例を与える制度です。認定を受ければ、その範囲内は自社でも委託でも、収集運搬業/処分業の許可もマニフェストも不要となります(産廃の場合は契約書は必要)。

広域認定で回収できるものは、回収するものが産業廃棄物となるか一般廃棄物となるかで大きく異なります。産業廃棄物は腐敗するなどの性状変化がないモノであればほとんどすべてが対象ですが、一般廃棄物については対象物が限定されています。 詳細は、環境省の「広域認定制度関連」ページの「広域認定制度申請の手引き」に詳しく説明されています。現在認定を受けている会社、モノの一覧も「~~認定状況」で見ることが出来ます。

許可不要というだけあって、認定を受けるための手続きはそれなりに大変ですし、認定後もそれなりに管理業務が発生します。外注することも可能ですが、それだけのコストをかけてやるべきかどうかの判断が必要です。

広域認定以外の方法

一方、広域認定がなくても使用済み製品を回収、リサイクルする仕組みをメーカーが提供することはできます。リースやレンタルの形式をとる、前回取上げた下取りの範疇内で運用する、回収拠点まで持ち込んでいただく、産廃業者を紹介するなど、廃棄物処理法で制度として提示されてはいませんが、法律に則って仕組みを構築することはできます。状況に応じて適切な方法は変わりますし、手間とコストを考慮するとすぐには現実的な仕組みを作れない場合もあります。

使用済み製品の処理をどうするかは、法規制はないが、社会的要請があるという微妙な課題です。環境配慮のためにビジネスモデルの再構築をする企業が後を絶たないことを考えると、中長期的に取り組むべき経営課題として取り組んでいくべきでしょう。