資源循環業界の再編やM&A

2020年03月05日

「平成 23 年度産業廃棄物処理業実態調査業務 報告書」によると、処理業者の売上高で10億円未満の会社は、収集運搬業、中間処理業、最終処分業の合計で8割以上、中間処理業では8割弱、最終処分業では9割弱であり、事業規模の小さい会社がほとんどであることが分かります。データは少し古いですが、現在においてもそれほど状況は変わっていないはずです。

事業規模が小さい会社が乱立し、価格競争を行っていると、品質が低下する恐れがあります。処理業でいうと、マニフェストの返送管理を始めとした事務処理、営業のレスポンス遅れ、コンプライアンス上の不安、最終的に不適正な処理がされてしまう懸念があります。もちろん中小企業の経営効率が悪く、生産性が低いというのは、デービッド・アトキンソン氏に言われるまでもなく(「日本は生産性が低い」最大の原因は中小企業だ)当然のことです。

売り手市場のために価格競争が激しくなくても、サービス品質がばらつき、結果的にユーザー(排出事業者)にとっては管理コストが上がることにもなります。

これを、一定の規模の会社にすることで、管理部門が強化され、サービス品質が上がり、新たな提案や技術開発、はては海外進出などもできるようになります。では、この業界でM&Aが進まない理由には何があるのでしょうか。

進まないM&A

いくつか理由は考えられますが、経営者が①会社を売りたがらない、②現状維持でいい、③M&Aの方法が分からない、④金額面で折り合わない、が考えられると思います。

①会社を売りたがらない

会社のトップ、役員としての地位に価値を見出している場合があります。人事も役員報酬も、誰にも文句を言われずに決めることが出来ます。特に仕事をしなくても、業績が安定していれば問題ありません。将来自分の子に経営を譲れば、一族安泰です。

もし会社を売却すると、これら全てが売却先に決められてしまいます。会社の売却益がどんなに高くても、会社の収益性が向上する見込みだったとしても、これを手放したくないという気持ちは分かります。

②現状維持でいい

あえて波風を立てなくても、今のままでいいじゃないか、という考え方です。歳をとればとるほど、従業員が不満でも、給料が上がらなくても、倒産するわけでもないのだから、面倒なことはしたくないと思うでしょう。

③M&Aの方法がわからない

銀行やコンサルに相談したとしても、事業規模が小さければあまり歓迎されません。案が出てきても、社内で判断できる人がいないと思えば、二の足を踏むことでしょう。

④金額面で折り合わない

これまで好きなように仕事が出来ていたところをやめるのですから、それなりの価格でないと納得しないでしょうし、自らが作り上げたものですから、高く評価してほしいという人情もあります。事業的に行き詰っていたり、後継者問題で困っていない限りは、簡単に成立しないと思います。

今後の動き

産廃処理、リサイクル会社の株式上場が続いています。弊社の親会社のリバーHDも2020年3月中に上場したところです。上場会社同士のM&Aであれば、①、③、④はクリアされやすいと思います。

大手のプレーヤーが出そろってからか、その前からか分かりませんが、何かを引き金に業界大再編が起こってもおかしくないと思います。


それでも中小企業のM&Aはなかなか進まないかもしれません。しかし、業界大再編が起これば、事業規模が小さいほど営業が苦しくなるでしょう。昨今の廃プラを始めとした処理費UPの中において、中小の中間処理業者の経営が圧迫されている例もあります。

それに中小企業の事業継承問題は、どの業界でも共通です。 自然消滅、廃業するか、M&Aするなどして生き残るか、いずれにしても徐々に整理統合されるのではないでしょうか。


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