プラリサイクル政策の動向

2020年11月16日

プラスチック資源循環についての、環境省と経済産業省の合同ワーキング(第6回)が10月20日に開催され「今後のプラスチック資源循環施策を踏まえた主な施策について」に基づいて議論がされました。様々な意見が出たのですが、基本的には各委員から賛意が示されました。ここでは、施策案のうち企業が関係する部分を抜粋してご紹介します。

途中、赤字は具体的な施策案で、緑字斜字で解説を入れてあります。


以下「今後のプラスチック資源循環施策を踏まえた主な施策について」 より企業に関係が深いものを抜粋

(i)家庭から排出されるプラスチック資源の回収・リサイクル

 (事業者による自主回収)

 これまで、食品トレーやペットボトルをはじめとして、店頭回収や拠点回収等の自主回収が進められてきたが、持続可能な取組として多様化・スケール化する上での課題も指摘されている。

 このため、製造・販売事業者が消費者からプラスチック製容器包装・製品を円滑に自主回収・リサイクルできる環境を整備する。

具体的には、リサイクルの拡大及び再生素材利用を促すため、製造・販売事業者が自ら製造・販売したプラスチック製容器包装・製品に加えて、これらと同種のものも含めたプラスチック資源について、消費者から円滑に自主回収・リサイクルすることを可能とする措置を講じることとしてはどうか。

 また、自主回収の拡大に向けて、消費者に対する分別協力のインセンティブをはじめ事業者が実施する様々な回収量向上策を促進するため、必要な支援を行う。

 具体的には、消費者へのポイント付与等をはじめとする様々な回収量向上策に対し、ビジネスモデル構築やインフラ設備への支援を行うなど、自主回収の拡大を後押しすることとしてはどうか。

  • 解説

簡単に言うと、これまで容器包装リサイクル法(容リ法)で市町村の責任でプラスチック容器類が回収されてきました。一部については食品スーパーの店舗からペットボトルやトレーの回収をしていましたが、コンプライアンスを徹底すると許可業者に運搬させなければならず、回収コストが高くなるといった課題がありました。

これを、今後は現在容リ法対象外のプラスチック製品も含めて、一括で効率的に回収しやすくするということです。廃棄物処理法の規制が、リサイクル推進のために大きく変わろうとしています。これが実現すると、プラスチックのリサイクルが大きく促進される可能性があります。さらに、ポイントやデポジットの活用によって、消費者からの回収率を高める方法も支援するということです。


(ⅱ) 事業者から排出されるプラスチック資源の回収・リサイクル

 事業者から排出されるプラスチック資源については、これまで排出事業者責任に基づく適正処理が進められる中で、一定の分別・リサイクルが行われてきているが、今後、更なる資源化のための分別回収・リサイクルに積極的に貢献することが求められる。

 このため、各業種の実態を踏まえ、プラスチック資源の分別・リサイクルを促す環境を整備するとともに、排出事業者が、自らのプラスチック資源を高度リサイクルする取組が円滑に進むよう環境を整備する。

具体的には、排出事業者に対し、プラスチック資源の排出抑制や分別・リサイクルの徹底、体制整備、情報発信等を含め、事業者が取り組むべき措置を示すとともに、これを踏まえた取組を行うことを求めることとしてはどうか。

  • 解説

これまで、廃棄物処理法では多量排出事業者に対しては、減量やリサイクルの計画の提出を求めてきましたが、具体的に取り組むべき措置を示したことはなかったはずです。ガイドラインや判断基準という形で、分別やリサイクル方法や取組み方法を提示するということでしょう。罰則付きの義務化ではなく、努力義務レベルと思われますが「ガイドラインくらいやって当然」という空気が醸成されるかもしれません。

 また、リサイクルの拡大及び再生素材利用を促すため、排出事業者がリサイクルを行う事業者と連携し、自らが分別・排出するプラスチック資源を円滑に高度リサイクルすることを可能とする措置を講じることとしてはどうか。

  • 解説 

廃プラの高度リサイクルというと、通常はマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを指しますが、これを排出事業者が単独でするのは非効率です。そこでリサイクル業者に選別や加工を委託して、自社の工程に戻す方法が考えられるのですが、これは廃棄物の処理委託とみなされます(加工委託として規制対象外とする解釈もありますが、公式に認められていません)。

想像ですが、この手の規制を緩和することが念頭にあるのだと思います。食リ法のループに似た、認定が必要な仕組みかもしれませんが、できたらもっと踏み込んだ簡単な仕組みにしてほしいところです。


良くまとまっていますし、現段階では優れた案だと思います。あとは、「具体化したら、現状の申請とは別の煩雑な申請が必要になりました」ということにならないようにしなければなりません。

そして、優れた案とはいっても、10年近く前から言われ続けてきた改善案がほとんどです。プラゴミがこれだけの問題になってから、ようやく実現の方向に動き始めたのです。国の文書では、よく判で押したように「世界をリードする」と書かれていますが、世界に先駆けて課題解決に有効な政策を立案し、率先して実現するようでなければリードなどできないでしょう。

廃棄物処理法の規制のために、日本の資源循環ビジネスの進歩がどれくらい阻害されているのかは測りようがありませんが、活力をそいでいることは確かです。

菅首相や小泉環境大臣、実は廃棄物処理法にも詳しい河野規制改革担当大臣には、プラゴミ問題を契機に、是非とも廃棄物処理法の大改正に着手していただきたいところです。


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