廃棄物の塩素・塩ビ対策

2020年12月03日

廃棄物に含まれる塩素…特に塩化ビニル(塩ビ・PVC)の形で含まれることが多いですが…は、炉を傷めたり、製品の性能に支障が出るなど、ほとんどの処理、リサイクル工程に悪影響を及ぼします。 したがって、塩素、塩ビ対策は資源循環を進めるうえで重要なテーマとなります。そこで以下、様々な塩素・塩ビ対策の技術や取組みについてまとめました。なお、塩素だけでなく、臭素やフッ素なども含めた「ハロゲン」として問題になることがありますが、多くの場合対策が同じですから、ここでは代表格の塩ビに絞って考えます。

  • 加熱による脱塩素

塩ビは、300度程度まで加熱すると、塩化水素ガスが発生します(この温度では発火はしません)。この性質を利用して、炉内等で加熱して脱塩素を行う方法がいくつかあります。

https://www.pvc.or.jp/contents/news/38-04.html

https://bit.ly/3l0Xas1

  • 燃焼による分解

炉を傷めるなどの影響はありますが、塩ビを含む廃棄物を焼却することは可能です。ダイオキシン対策を施しながら、焼却されています。

  • 塩化揮発法で利用

非鉄精錬の技術に、塩素を活用する塩化揮発法があります。もともと塩素を使用するプロセスですので、塩ビを代替素材として使用しています。

https://www.pvc.or.jp/contents/news/18-4.html

  • 洗浄による塩化物除去

焼却灰などに塩化ナトリウムなどの水溶性の塩が含まれている場合に、水と混合し、溶解させたのちに脱水します。

https://www.chubu-recycle.co.jp/facility_datsuen.php

https://www.taiheiyo-cement.co.jp/rd/incineration/rinsing/

  • 希釈

塩素を含まない(含有量が少ない)ものと混合することで、塩素の濃度を意図的に下げることがあります。プラスチック、汚泥、廃油などの塩素濃度を希釈したのちに、焼却、セメント原燃料として使われます。

  • 事前選別

塩ビに限らず、塩素を含むものが混入しないようにします。分別を徹底する、破砕前に塩ビを選別する、塩ビの使用を制限する、工程に入る塩素系の薬剤の使用を制限する、などが考えられます。

  • 事後選別

特に、破砕後に複数種のプラスチックが混合した(ミックスプラ)を、自動選別機によって塩ビを選別します。選別機についてはこちらを参照ください。

  • マテリアルリサイクル

実は塩ビはマテリアルリサイクルがしやすい素材です。選別などにより単体で取り出すことができる場合は、マテリアルリサイクルが可能です。

  • 埋立

塩ビを埋立処分する場合は、焼却などで生じる問題はありません。燃焼させて炉を傷め、CO2を排出するより、埋立をした方が環境負荷が低いかもしれません。