廃棄物等の品質管理

2020年05月22日

一般の方は「『廃棄物の品質管理』って意味が分からない」と思うことでしょう。しかし、何かの原材料としてリサイクルをするのですから、工程に投入される前のどこかの段階で、原材料としての品質管理をしなければななりません。リサイクルより間口の広い焼却/埋立であっても、管理が悪いと処理費が上がってしまいます。

品質管理のタイミングは、投入直前の1回でよい場合、排出段階でも必要とされる場合、中間に入る業者(中間処理業者or有価物を仕入れて加工後販売するスクラップ業者など、以下「中間業者」)がする場合など、様々なパターンがあります。

ここでは、中間業者がどのような考え方で品質管理をしているかを考えてみます。

リサイクルに限らず、一般に原材料は以下の3つの軸で評価されます。これにそって、整理してみましょう。

  • 品質:安定的にブレなく規格に収まるか
  • 価格:代替品より安価(or受取る処理費が高い)か
  • 納期:必要な時期に必要な量が納入されるか

品質

不純物の混入をどの程度まで許容するかは、その工程が天然資源を直接原料にしているかどうかで変わることが多いです。サプライチェーンの上流にあるかどうかと言い換えてもよいでしょう。

 例えばプラスチック製品の成型をする工程からは、純度の高いプラスチックペレットが求められます。その場合の品質管理は、不純物をいかに取り除くかが勝負です。破砕、洗浄、粒度調整などで性状などの条件をそろえ、風力、磁力、比重、色といった要素に応じた選別機にかけます。投入する原料の品質と、選別機にかける順序や機械の設定によっても、純度が変わります。

一方で、天然資源を原料にする場合や、そもそも不要物を使用する前提で作られた工程の場合は、一定量の異物・不純物の混入を織り込んでいます。そのため、中間業者は仕入れてきた異物が多い不要物Aをあえて取り除かずに、異物が少ない不要物Bと混合して品質規格に収めることがあります。結果的に、その方が全体としてのリサイクル率は高まることが多いでしょう。 製鋼用電気炉、セメント製造ライン、製紙工場などの業種が代表例でしょう。

同じ業種であっても、製品の種類や生産量、立地条件、設備の能力等によって、品質規格が 違うことが多いようです。

このように同じ品質管理でも、全く発想が違うことが分かります。

価格

リサイクル工程を持つ側は、天然原料の価格と比較してリサイクル原料の採用を判断します。一方、中間業者にとっては、不要物の仕入れ価格によって、提示価格が変動します。したがって、天然原料の価格が下がるとリサイクルが滞ります。

また、リサイクル原料を工程に投入するために追加コストがかかる場合や、最終製品の品質に影響する場合などは、天然原料より価格が安く(受取る処理費が高く)なければ採用するメリットがありません。

納期

中間業者は、品質だけでなく、納期についてもある程度対応しています。少量発生品を集め、一定量の在庫を持ち、要望に応じたタイミングとロット、荷姿で納入します。

天然資源を原料にする工程であれば、一回の納入で相当量のロットを要求してくるのは言うまでもありません。設備の修理点検時には、量の制限や停止もあるので、在庫管理は重要です。

次の現地確認では

このように、中間業者は、リサイクルを推進するための、倉庫・問屋としての機能に加え、加工、品質管理という製造業に近い機能も果たしているのです。次回現地確認をされる際には、このような視点で処理の流れを見てみるとよいでしょう。