Recycleの進め方 その2

2020年03月23日

分別の徹底は、リサイクルの推進に必須です。リサイクルするということは、製品の原材料になるということですから、一定レベルの品質が求められるのは当然です。もちろん、焼却や埋立の場合であっても、分別を完全に無視することはできないのですが、厳しさが違います。

求められる分別、品質レベルは、ユーザー(リサイクル業者)の利用方法、設備の状況によって異なりますので、個別に問い合わせ、相談する必要があります。ここでは、具体的な分別方法等には触れずに、分別の徹底の方法、教育方法について考えたいと思います。

火災の原因となる混入物(リチウムイオン電池、ボタン電池)
火災の原因となる混入物(リチウムイオン電池、ボタン電池)

当事者意識

第一に、関係者に当事者意識を持っていただくこと重要です。当事者の範囲は、相当広くなるかもしれませんが、現実に協力が必要な人たちに広くアプローチしたいところです。そして、分別の必要性と、それをしないとどのような問題が生じるのかを、具体的に理解していただく必要があります。

まずは、機会を設けて関係者を集めたセミナー、教育を実施します。一気に全員集められない場合は、複数回に分けて行います。必ず対面でコミュニケーションを取る機会を設けましょう。規定やマニュアルをイントラネットやグループウエアに公表しただけでは何も変わらないことは、皆様もご存知の通りです。

セミナーでは、異物混入により処理業者の施設で事故が起こる、怪我や火災につながる、返品されることもある、という現実的な問題を写真付きで説明します。自社の事例や、混入物の現物があればなおよいでしょう。

さらに、異物混入=契約書に記載されていないものの処理委託ですので、委託基準違反となる(3年以下の懲役、300万円以下の罰金の対象)か、マニフェストへの記載義務違反(1年以下の懲役、100万円以下の罰金の対象)となり得ることを説明してください。

基本的に分別は上流で行ったほうが効率が良く、そのためには各自の協力が必須であること、たかがゴミだからと言って処理業者に任せておけばよい、という話ではないことを理解していただきます。

部門長の理解

上記について理解したうえで、部門の長としての責任を認識していただく必要があります。

できれば、各部門長が集まる会議で、短時間でもよいので、廃棄物処理の量や費用に加え、分別(異物混入)状況、処理業者からのクレーム・返品状況などを報告します。どの部門に責任があるかも分かるようにし、改善案も提案できると理想的です。頻度としては、月例~隔月会議で、当該事業所長からコメントも頂けると効果が高いです。

罰則の対象が、実務担当者だけでなく、部門長や事業所長に課せられる可能性があることも、忘れずに伝えるようにしてください。部門長に責任があるとは、管理者としての道義的責任だけではなく、刑事責任も問われかねないということです。

表示、マニュアル

分別ボックスには、一般的な名称だけでなく、具体例をいくつか写真、解説付きで貼付すると効果的でしょう。異物混入の例、その影響も付記し、㎏あたりの処理費用も表示します。分別したほうが通常は処理が安いor売却できることを知るだけでも、意識が変わるはずです。

別途マニュアルを作成する場合も、出来るだけ写真を多用し、異物混入の例を記載する欄には赤や黄色のカラーを活用するなどして、読みやすく、親しみやすくなるように工夫してみてください。

分別指導・イベント

分別状況が悪い・トラブルがあった場合や、環境月間などの節目でイベントを実施してみましょう。廃棄物管理部門の担当者が分別ボックス前に立ち、その場で分別指導をしてもよいでしょう。例えば期間中は異物混入ゼロを目標に、ボックスへの持ち込み時間を限定すれば、分別指導を徹底することができます。

合わせて、過去に混入したことがある異物の現物や、処理業者に依頼して事故やトラブルの写真をもらい、展示することもできます。分別されたものが最終的にどんなリサイクル品となるのか、これも実物があると目を惹きます。

現地確認に同行

部門のキーパーソンに処理業者の現地確認に同行してもらうと、教育効果は高いでしょう。また、分別実態を把握するために、自社の環境内部監査に同行することもできます。

社内報の作成担当者にも同行してもらうことも検討してみてください。あわせて社内のこれまでの取組みも取材してもらい、社内報で特集してもらうと、関係者のモチベーションもあがるはずです。

最後に

分別は多くの方の協力が必要ですので、少し薄くても広く、分別の必要性を継続的にPRしていくことが大切だと思います。上記はあくまで一例ですが、各事業所で工夫し、出来れば複数の施策を組み合わせ、継続して実施することで、分別に対する意識が変わり、そのサイトの分別文化が形成されます。

実は、大企業のほうが分別が出来ていないこともあります。「うちは人件費が高いから余計な仕事をしない」という理由をつけて逃げたりはしていないでしょうか。 分別をするためには、“手間をかける”というより“意識を変える”ことが必要です。手間が少ないものからでよいので、分別を徹底してみてください。やってみれば、実際には大した手間でないことがほとんどです。「慣れてしまえばどうってことなかった」と言ってもらえるように、関係者を前向きな気持ちにして巻き込んでください。