再生利用指定制度

2020年07月02日

再生利用指定制度というものがあります。うまく使えば、特に地域内でのリサイクル・資源循環に役に立つ制度です。ローカルSDGsや地域循環共生圏でも生かすことが出来ると思います。

具体的には再生利用されることが確実であるとして、都道府県知事が指定すると、収集運搬業、処分業の許可とマニフェストが不要となる制度です。再生事業者登録と名称が似ていますが、こちらは登録することができるだけで、許可が不要となるなどの特例制度はありません。参考までに、東京都のページをリンクします。

再生利用指定制度について、良くまとまっているのは平成18年度再生利用基準等検討調査業務報告書です。少し古いですが、関係法令・通知等が紹介されています。法律ではごく簡単な基準しかないのですが、この報告書に掲載されている「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第9条第2号及び第10条の3第2号に基づく再生利用業者の指定制度について」では、丁寧に解説されています。

個別指定と一般指定

個別指定とは、個別の業者からの申請に基づいて審査がされ、再生利用指定をするという形式です。行政としては基本「待ち」の姿勢です。

一般指定とは、申請がなくても、特定の条件に当てはまるのであれば、誰もがマニフェスト無し、許可無しで運搬、処分を行うことができる、という制度です。当然、一般指定の方が、行政/事業者の双方にとって簡便で、早く広く制度が普及します。

活用事例①建設汚泥

また、この報告書に掲載されている通知にもありますが、この制度が最も良く活用されているのは、建設汚泥のリサイクルでしょう。

関連資料へのリンクをまとめた国交省の報道発表ページはこちらです。 この中の「建設汚泥の再生利用に関するガイドライン」で個別指定、一般指定が紹介されています。環境省でも「建設汚泥の再生利用指定制度の運用における考え方について」で、説明しています。

活用事例②PETボトル

その他には、スーパーなどで回収されるPETボトルにも、この制度を適用させようという動きがあります。本来は、許可がある収集運搬業者を手配し、各スーパーがマニフェストを交付しなければならないところを、スーパーへの商品納入車両が、納入後の空きスペースにPETボトルを入れて回収できるようにするためです。

業界団体としては缶、ビンと同様に専ら物にしたかったようですが、半世紀前から変わっていない専ら物への品目追加は難しく、既存の再生利用指定制度を積極的に活用しましょう、ということになったようです(参照:店頭回収された廃ペットボトル等の再生利用の促進について)。

方法は、下記のようなハイブリッドな形です。

処分業者=きちんと審査したい+数が少ない個別指定

運搬業者=実際にはリスクは少ない+数が多い→一般指定

という理由からでしょうか。

例えば東京都は、店頭回収廃ペットボトルに係る再生利用指定についてで制度の説明をしています。あちこちの自治体でも同様に指定されています。茨城県栃木県宇都宮市、などなどです。

自治体の理解が得られれば最強ツール

これは別に、建設汚泥やPETボトルに限定された仕組みではありません。実際、旧全国産業廃棄物連合会の「再生利用指定制度の運用状況等に係る調査結果報告書」によると、「汚泥」「動植物性残さ」「木くず」「がれき類」「廃プラ」「廃油」「ガラス陶磁器くず」「動物のふん尿」「廃アルカリ」「鉱さい」「ばいじん」が指定された実績があるようです。

「リサイクルをしたいのに許可が必要と言われた」、「ボランティアでリサイクルしているのにストップがかかった」という話がありますが、基本的には自治体が理解して、後押してくれれば指定を受けることは不可能ではありません。マニフェスト無しで運用できるのですから、相当楽になります。

なお、再生利用指定制度には、

「適正な費用の一部であることが明らかな料金のみを受け取るなど、再生活用が営利を目的としない」

という限定があります。それでもリサイクルの推進に廃棄物処理法の許可制度がハードルになっている場合は、検討、自治体に相談してみる価値はあるでしょう。