処理困難通知とは

2020年12月09日

処理困難通知を簡単に説明すると、処理業者が排出事業者に「処理ができなくなったので、もう廃棄物を持ってこないでください」と伝えるものです。通知を受けた排出事業者は、委託停止はもちろん、現状を把握し、環境上の問題がある場合は対策を講じて、その結果を都道府県知事に報告しなければなりません。

ここでは、処理困難通知を出さなければならない条件、方法、排出事業者の報告義務や対策について解説します。

処理困難通知は、日常の処理業務で異常があった場合に発出されるものです。そのため、通知を出さなければならない条件は、処理業の許可について定めている法第14条周辺⇒法第14条第13項、法第14条の2第4項、法第14条の3の2と様々な状況下で規定されています。一方、通知を受けて排出事業者が取るべき措置は、日常管理業務の一貫であるマニフェスト制度とセットで、法第12条の3第8項にまとめて規定されています。

処理困難通知を出さなければならない場合

処理困難通知を出さなければならない条件は、3か所で規定されていますので、“その①~③”としてまとめました(特管の条文が別途ありますが、内容が同じなので省略します)。通知を出さないと、6か月以下の懲役、50万円以下の罰金の対象となります。

その① 法第14条第13項=施行規則第10条の6の2

処理困難通知の先駆けはこの規定です。下記の通り、施行規則に詳しく条件があります。各号に解説を付記します。

一 事業の用に供する産業廃棄物の処理施設において破損その他の事故が発生し、当該処理施設を使用することができないことにより、当該処理施設において保管する産業廃棄物の数量が処分等のための保管上限に達したこと。

処理施設が使えなくなり、保管上限(通常は処理能力の14日分)に達した場合に通知が必要です。

二 産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分の事業の全部又は一部を廃止したことにより、現に委託を受けている産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分がその事業の範囲に含まれないこととなつたこと。

処理業者がそれまで扱ってた産業廃棄物の種類(品目)の扱いをやめ、許可証を変更する場合、その品目について契約がある排出事業者に通知が必要です。

三 事業の用に供する産業廃棄物処理施設を廃止し、又は休止したことにより、現に委託を受けている産業廃棄物の処分を行うことができなくなつたこと。

処理施設を廃止や休止する場合に、その処理施設で扱っていた産業廃棄物の契約がある排出事業者に通知します。

四 事業の用に供する産業廃棄物処理施設である産業廃棄物の最終処分場に係る埋立処分が終了したことにより、現に委託を受けている産業廃棄物の埋立処分を行うことができなくなつたこと。

埋立処分場が満杯になって、それ以上受けることができない状態になった場合です。本来であれば、その時点で契約解除しておくべきですが、まだであれば通知が必要です。他の埋立処分場を確保している場合は不要です。

五 法第十四条第五項第二号イ(法第七条第五項第四号トに係るものを除く。)又は第十四条第五項第二号ハからホまで(法第七条第五項第四号ト又は第十四条第五項第二号ロに係るものを除く。)に該当するに至つたこと。

いわゆる、欠格要件に該当した場合に、通知が必要ということです。

六 法第十四条の三の規定による命令を受けたこと。

事業停止命令を受けた時に、通知が必要です。

七 産業廃棄物処理施設を設置している場合において、法第十五条の三の規定による許可の取消しを受けたこと。

産業廃棄物処理施設の設置許可が取り消された場合、通知が必要です。

八 産業廃棄物処理施設を設置している場合において、法第十五条の二の七、第十九条の三又は第十九条の五第一項の規定による命令を受け、当該処理施設を使用することができないことにより、当該処理施設において保管する産業廃棄物の数量が処分等のための保管上限に達したこと。 

改善命令や措置命令を受けたために、処理施設を使用できなくなり、保管量が上限(通常処理能力の14日分)に達した場合に、通知が必要です。

その② 法第14条の2第4項

条文は長いので、ここには引用しません。 

処理業の一部・全部を廃止し、許可も変更したにもかかわらず、処理が終了していない場合は通知が必要です。廃棄物を残して逃げ出すパターンですから、普通であれば通知などしないと思いますが。

その③ 法第14条の3の2第3項

処理業の許可が取り消された場合に、処理が終了していない場合は通知が必要です。取り消されるくらいですから、廃棄物が残っていることが多いでしょう。

処理困難通知の出し方

通知は、条件に合致してから10日以内に、社名、住所、代表者名、条件発生日、その内容を書面で送付しなければなりません。様式はありませんし、メールでもFAXでも郵送でも構いません。施行規則10条の6の3などに規定されています。タイトルに「処理困難通知」と書いてあるわけでもなく、受け取ったらすべき事が解説してあるわけでもないので、何も知らないと「ふーん」で終わってしまうかもしれません。

処理困難通知を受けたら

処理困難通知を受けた排出事業者は、マニフェストが期限内に返送されてこなかった場合と同様、必要な措置を講じて報告書の提出をしなければなりません。法第12条の3第8項と、施行規則第8条の29に記載されています。罰則はありませんが、法第19条の5の措置命令の対象となります。

法第12条の3第8項より)速やかに当該委託に係る産業廃棄物の運搬又は処分の状況を把握するとともに、環境省令で定めるところにより、適切な措置を講じなければならない。 

「状況を把握」とありますが、具体的な方法は定められていません。電話で問い合わせて問題なさそうであればそれでよいでしょうし、現場の写真くらいは送ってもらう、やはり現地を直接確認する、などの方法が考えられます。

施行規則第8条の29より)生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講ずるとともに、次の表の上欄の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる報告期限までに、様式第四号による報告書を都道府県知事に提出するものとする。

「必要な措置」については、ケースバイケースで考えるしかありません。むしろ、他にも同様に通知を受け取った排出事業者もいる可能性が高いという点に要注意です。もしも、実際に環境上の問題がある場合、各社バラバラで重機や運搬車両を手配したら大変なことになります。他の排出事業者が誰かを単独で知ることは難しいので、まずは地元の都道府県に相談し、関係者を把握、調整をしてもらうべきでしょう。

通知受領後30日以内に報告書の提出が必要ですが、実際には難しいことも多いでしょう。報告書の提出を怠ると、行政が措置命令を出す条件に該当してしまいます。そのような事態も想定し、早めに都道府県に相談しておきましょう。 なお、報告書は排出事業場を管轄する都道府県宛てに提出しますが、「必要な措置」の具体策については現地の都道府県と相談すべきでしょう。

関連通知

廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律等の施行について(通知) 

この通知の第十二には、法律上の解釈が詳しく説明がされていますのでご参考ください。