委託基準②契約書の作成

2019年11月12日

前回は委託基準の中でも「許可の確認」についてでしたが、今回は「契約書の作成、保管」について解説します。契約書の作成と許可証の確認を同時にするルールにしておけば、実質的に契約書作成=委託基準の順守ということになります。

今回は、契約書の作成にあたっての注意点を解説します。

契約当事者は誰か?

契約書の作成義務は、「委託基準」なだけに処理委託をする排出事業者にあります。上記図の左半分をご覧ください。まず、排出事業者=処分業者(中間処理or最終処分いずれでも)の間の契約が必要です。さらに、そこへ運搬するまでの運搬契約が必要ですが、もし積替えなどをするために複数の会社が運搬を担う場合は、それぞれの会社と契約します。これを区間委託ということもあります。

上記図の右半分では、中間処理業者が、排出事業者と同様、最終処分業者、及びそこまで運搬する収集運搬業者と契約しています。排出事業者は最終処分業者とは契約関係にありませんが、排出事業者=中間処理業者との契約書に、最終処分業者の場所等について記載します。

なお、最終処分は埋立か再生を指し、中間処理はそれ以外の全ての処分方法を指すことは、これまでも説明している通りです。

処理委託契約書の法定記載事項

法定記載事項について

上記図の左側が産業廃棄物の収集運搬委託契約書の記載事項、右側が処分委託契約書の記載事項です。印刷してチェックリストとして使えるように分割していますが、下段の3項目以外は運搬と処分の両方にある記載事項です。

これらの法定記載事項、契約書の作成については、以下のサイトで丁寧に解説されています。

  • 産業廃棄物処理委託契約書を徹底解説!

~法律、通知の規定から実運用まで~前編

~法律、通知の規定から実運用まで~中編

~法律、通知の規定から実運用まで~後編

東京都ではモデル契約書を公開して、記入例として記載方法の解説もしています。

また、「かゆいところに手が届く 廃棄物処理法 虎の巻」では、「契約書の記載事項の注意点」として1章をまるまる使って記載事項について解説していますので、お手元にお持ちの方はご参考ください。

間違えたらどうする?契約書と覚書の違い

修正の方法についても上記リンク先で説明されている部分はありますが、ポイントは以下の条文です。

つまり、法律としては、契約を口頭で済ませるのではなく、書面にすることを求めているだけです。契約は、「申込」とそれに対して「承諾」があることで成立するのですから(民法)、そのことが分かるような書面を作成すればよいのです。したがって、書面の名称や体裁などは当事者間で自由に決めることが出来ます。

またここから、「委託契約書」という用語は、その前の委託契約を「書面により行」ったものを指すために便宜的に使われていることが分かります。

したがって、契約書や覚書という名称を気にする必要はなく、間違いを訂正する場合も、両者が合意していることが分かれば、廃棄物処理法としてはどのような形式でも構いません。記載事項さえ含まれていれば、自社のルールにのっとって柔軟に書面の作成をすることができます。

なお、e-文書法により書面の代わりに電磁的記録の保存でもよいことになっています。電子契約はもちろんのこと、極端な話、メールのやり取りの履歴が残っていれば(契約権限の問題は残りますが)契約成立と解釈することができます。ネット通販でマウスで商品を選択しクリックするだけで、電磁的に契約締結したことになるのと同じ考え方で、従前の紙の様式を踏襲してPDF化したものを契約書としてネット上に保存する必要もありません。

近い将来、書面の作成や郵送に手間をかけることなく処理委託ができるようにしたいものです。