下取りの運用解釈を柔軟に

2019年09月04日

一般に下取りというと「新製品購入時にそれまで使用していた製品を買い取ってもらう」サービスのことです。しかし廃棄物の世界では「新しい製品を販売する際に商慣習として同種の製品で使用済みのものを無償で引き取り、収集運搬する下取り行為については、産業廃棄物収集運搬業の許可は不要」という通知でいうところの「下取り」を指します。

下取りを許可不要とする考え方には、下記の2つの論拠が考えられます。

  • 論拠1.廃棄物ではない=廃棄物と判断する前段階のモノであるから許可不要
  • 論拠2.販売者の廃棄物であるため(自社運搬となり)許可不要

環境省が10年ほど前にある会合で配布した資料では、論拠2.の立場で説明されています。つまり、下取り運搬は「排出事業者の自ら処理であり産業廃棄物収集運搬業の許可は不要」であるが、「第三者が収集運搬する場合には~産業廃棄物収集運搬業の許可」が必要であり、さらに「処理基準を遵守すべき」ということです。

論拠2は非現実的

これをそのまま受け取ると、販売者が自ら下取りをする場合、自社運搬の基準である「車両表示」と「書面携帯」は必要ですし、下取り後いったん保管して、改めて処分業者に搬出すると、これも(許可不要ですが)積替え保管に該当します。積替え保管の規制としては、掲示板、囲いの設置等の他、平均的な搬出量の7日分の保管上限があります。いずれも処理基準なので直罰はありませんが、保管上限については計算上少なくとも週に一回は搬出しないと違反になってしまいます。しかし、多くの場合それより長く、一定量溜めてから搬出しないと、輸送コストが高くなってしまいます。

もちろん、販売者以外の第三者(運送子会社含む)に下取り運搬をさせる場合は、収集運搬業の許可(場合によっては積替え保管)が必要となるだけでなく、下取りの都度、販売者と運送会社間で契約書を締結、下取りの現場でマニフェスト交付が必要ということになり、事実上不可能です。 

論拠1は現実的

一方、単に製品の販売に付随して下取りしているのであり、そもそも廃棄物かどうかは下取りの段階では判断していない(できない)、というケースも実際にあります。この場合、下取り後の、しかるべきタイミングで再利用又は有価物として売却できるか、廃棄物処理するかが判明するのですから、下取りの段階では廃棄物とは言えません。

通知では、「そのものが廃棄物である場合でも、下取りをするのであれば許可不要」と言っているのであって、廃棄物でないものについては言及するまでもない、という立場ということもできます。つまり、廃棄物であるという判断がされた物に対してのみ、下取り通知を適用するのです。事実、リユースの可能性がある製品や、リサイクル性が高い雑品スクラップ、プラスチック製品などであれば、下取りの段階で廃棄物か有価物かの判断をすることは難しいのです。

下取りは販売サービスの一環に

つまり、現状では論拠1又は2のいずれかを取って、解釈、運用するということなのかもしれませんが、その都度判断しなければなりませんし、それを現場に任せるのだとしたら酷でしょう。

下取り品は直前まで使用されていたものです。広域認定制度との兼ね合いもありますが、 下取り行為については販売に付随して行われるサービスであり、廃棄物の運搬には該当しないと整理し、第三者も含めて一律に許可不要とできないでしょうか。その代わり、販売者に排出者責任を徹底して責任を明確化します。そうすれば、一般に輸送効率が高いと考えられる下取りがさらに普及し、販売者が一括して管理できるため、高度なリサイクルも進むと思います。