13号廃棄物

2019年08月19日

施行令第2条第13号にあるため「13号廃棄物」と言われてる他、条文から引用して「処分するために処理したもの」と言われています。 まずは関連の条文と通知を引用します。

  • 施行令第2条第13号

燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで、第五号から第九号まで及び前号に掲げる廃棄物にあつては、事業活動に伴つて生じたものに限る。)又は法第二条第四項第二号に掲げる廃棄物を処分するために処理したものであつて、これらの廃棄物に該当しないもの

第13号に掲げる廃棄物は、廃棄物処理法第2条第3項に掲げる6種類の産業廃棄物及び令第1条第1号から第12号までに掲げる12種類の産業廃棄物を処分するために処理したものであって、その形態又は性状からみてこれらの18種類の産業廃棄物に該当しないものに変化したものも産業廃棄物であることを規定したものである。

条文も通知も少々分かりにくいですが、要は「産業廃棄物を処理した後の残さで、産業廃棄物のどれにも該当しない物は13号廃棄物」という意味です。かみ砕いていうと「最初に産業廃棄物だったものは、処理の結果、20種類から外れて一般廃棄物になることはない。なぜなら13号がどれにも該当しない物の受け皿となるから。」ということです。(つまり、排出事業者には直接関係がないテーマです)

  • 13号廃棄物の具体例

例えば、木くずを含む建設混合廃棄物(産廃)を処理委託したとしましょう。

木くずを焼却すると焼却灰になります。そこで20種類から焼却灰に該当するものを探すと、燃え殻に該当することが分かります。しかし、焼却ではなく破砕、選別後に木くずが単体で出てきた場合はどうでしょうか?

実はこのような場合、特に深く考えずに、産廃の木くずとして処理していることが一般的なのですが、、、

◎条文を素直に読むと「13号廃棄物」に該当しそう

条文を見ると、木くずが廃棄物処理業から排出される=業種限定から外れるため一般廃棄物となりそうです。しかしこれでは排出時に産業廃棄物だったものが、途中から一般廃棄物になってしまいます。しかも大量に発生しかねませんので、地元の市町村が処理しきれない恐れがあります。木くずでないとして、20種類の中で他に該当するものを探すと、13号廃棄物が残ります。産業廃棄物を処分した後のものは、すべて産業廃棄物であり続ける、という規定だからです。産業廃棄物を処分した後に、一般廃棄物にこぼれ落ちないようにする、いわばセーフティネットのような役割と考えるとよいかもしれません。

◎原則論でいくと

一方で13号廃棄物の考え方を持ち出さなくても「産業廃棄物は処分後もずっと産業廃棄物である(一般廃棄物の場合も同様)」という原則があるので、産業廃棄物の木くずは処分後も木くずであり続ける、という考え方もあります。ただ、この原則は法で明文化されていませんし、一部には例外的な運用がありますので、盤石とは言い難いところです。木くずを焼却したら、焼却灰となってリセットされてしまいますし。

◎コンクリート固化物について

また、一般に例示されることが多い13号廃棄物としては、有害物質が溶出しないように汚泥、ばいじん、燃え殻などをキレート処理やコンクリート固化したものが挙げられます(日本環境衛生センターの書籍「廃棄物処理法の解説」や、おそらくそれを引用したと思われるJWセンターのページを参照)。 通常であればコンクリート固化されたものは、「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」に該当しそうですが、そうすると埋立するのであれば安定型最終処分場に持って行けます。正直、これでは不安です。これが13号廃棄物だとすると、水処理施設がある管理型最終処分場行きで安心感があります。過去の経緯+このような理由もあって、コンクリート固化物=13号廃棄物として運用されているのでしょう。

その他、廃肉骨粉(関連通知はこちら)のような超例外的なケース以外は、現時点で13号廃棄物が必要とされる状況は想定しにくいと言ってよいでしょう。

参考リンク

  • 大栄環境HP「教えて、BUN先生 マニアック編」より、13号処理物 前編  後編

少々マニアックですが、13号廃棄物の条文の成立経緯などについては、こちらも参考になります。 


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